研究内容

本研究室においての研究キーワードを挙げながら、それぞれについて説明していく。

ラーニング・アナリティクス(Learning Analytics)

日本語に直訳すると学習分析。学習履歴や行動履歴などの蓄積された教育ビッグデータを分析、可視化して学習の評価や様々な予測に役立てたり、成績と学習行動の関係性を明らかにしたり、問題点を導き出す。(参考:教育ビッグデータとは)特に、eラーニングやICT教材の学習ログを用いた研究が盛んである。

近年のCOVID-19によってオンライン授業を実施する学校が増えたり、GIGAスクール構想(生徒1人1台コンピューター及び高速大容量の通信ネットワークを整備する文科省の取り組み)によって注目を浴びている研究分野である。

LMS

Learning Management Systemの略。MoodleやBb9などの学習管理システムのことを指す。eラーニングをWeb上で行うための機能があり、小テストや課題提出の管理、授業資料の掲示などの機能が標準で備わっている。過去には、LMSの教員向け機能拡張の開発を行った。また、学習ログを蓄積する機能も備わっており、このログを用いて学習分析を行う。

生体情報

学習時の学習者の生体情報を計測し、学習効果を探ったり、学習時のより良い条件を分析する。用いる生体情報は、脳波、脳血流、視線や心拍などである。
学習データ分析研究室では、NIRSとよばれる近赤外線で脳血流などを観測する装置を用いて、学習時に脳の状態がどうなっているかなど生体情報の観点から学習分析を行った。

データ可視化

データビジュアライゼーション(Data Visualization)とも呼ばれる。データをチャート、グラフ、マップなどで可視化する手法。データの傾向や内容をユーザが、直感的に理解する手助けをする。学習ログを簡単なグラフとして可視化して、そこから学習の傾向を考察したり、可視化内容自体を学習者や教員に提供するツールの開発など、データ可視化は手軽な学習分析に用いることができる。

学習データ分析研究室では、LMSに集計されている学習ログをグラフとして可視化する、コメントシート、グループディスカッションの内容を共起ネットワーク図としての可視化などを試みている。

VR

VR技術を用いた教材の開発や3次元データの可視化を行い、VRゴーグルでグラフを見るシステムの開発やその評価などを行う。学習データ分析研究室で、実際に開発したVR教材は、プログラミングの理解の補助をする教材、球審の練習教材など。

他にも研究キーワードとしては、LRS(Learning Record Store)、オンライン教育、MOOC(Massive Online Open Course)、動画教材、公開教育データ、教材開発、ID(Instructional Design)、Webサービス、Webプログラミングなど。